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会社案内の楽しみ方

一年半の期間を区切って、SCEさんの仕入れ販売に協力してあげましょう、と」。 プレイステーションのスタートから一年半の聞は、SCEIの自社の販売網で、コナミ製品を売ってもらう。
その問、コナミは直版、不ツトワ-クを整備する。 一年半たったら、コナミの自社流通に移行するという条件だった。
その通りに九四年十二月から九六年にかけては、コナミ製品はSCEIの販売網に乗ったが、安心して事の展開を眺めている北上ではなかった。 自社製品の扱いには、目を光らせ、何回もSCEIに怒鳴り込んだこともあった。
「SCEI側で初日の出荷数量を最終的に決めるわけですが、初日に多いのか、少ないのかというのは実はあまり問題じゃないんです。 なぜならCD-ROMのリピート機能で、あとから追加することができるから。

問題は、売れているのに底頭で切らしていること。 それも、SCEIの担当者に、このソフトは売り切れる可能性があるから、切らさないように頼むといっておいたのに切れている。
私は怒りますよ、こんな時には。 一体、何をやっているんだってね。
いくら中三日でリピートできるシステムといったって、その三日のうちに勝負が決まってしまうこともあるんです。 私は、店頭での売上がすべての、ソフトメーカーの経営者として、しっかりと文句を言いました」。
そして一年半が経過し、九六年に入ったらSCEIに、「約束どおりこれからはコナミの自社流通で流すと通告したが、「でもね、なかなか返してくれないんです。 Yさん、Sさんも、あれこれ言って延ばそうする。
何言ってんだ。 契約の文書にも書いてあるのだから、約束どおり、やらせてもらう。
我々はSCEIの目指すやり方で直販ができるように着々と準備をしてきたのだから、もう体制も整っているんだと、タンカを切りました」。 渋々という雰囲気だったが、とにかく返却してもらったという。
コナミとしては当然のことをやったまでだが、相手のSに言わせると、「いや、そんなはずはないですよ。 すぐにお返ししました」。
どちらが正しいかはともかく、SCEとしても、仕入れ販売については、CD-ROMのリピートのメリットが浸透し、流通が正常化するまでの経過措置としていた。 自社できちんとした流通が仕切れるところが、直販を始めるのを拒むことはない。

「スタンスがしっかりとしているところなら、我々が仕入れ販売する必要はありません。 また、強制するつもりはありません」とSは言う。
現実に、当初の張り詰めた姿勢はその後部分的にだが、軟化している。 九七年六月には、それまで初回のリリース数はSCEIがソフトメーカーと相談の上で一手に決めていたのを改め、ソフトメーカーに最終決定権を移した。
これも、「何で自分たちで初回数量が決められないのか」という抗議にこたえたものだ。 しかし、メーカー直販についてはソフトメーカーの意見はさまざまだった。
コナミの北上常務は、「大手のソフトメーカーは直販にすべきです。 特にナムコさんなど、あれだけ営業所が多いのだから、ソニーさんに頼らないで直販にできるでしょう。
お願いしますよ。 コナミだけが仲間外れのようで…」とナムコに秋波を送るが、ナムコの原口取締役は、「ウチは直販はやりません」と、きっぱり。
「セールスマンが頑張って、担当商品を無理矢理押し込んでも、ダメですよ。 売れないものは、何をやっても売れないんです。
無理してもいいことは何もない。 売れないソフトを力づくで押し込んでも、自分ところのブランドイメージが悪くなるばかりですよ。
SCEIの仕入れ販売はオープンだと思いますよ」。 原口氏、がこれだけはっきりと物言いができるのは、独自の情報により、マーケットの最新の状況を把握しているという自信があるからだ。

「ナムコはソニーさんすべてに、おんぶにだっこしているわけではありません。 一五人の店舗開発専門の担当者が、全国上位一〇〇〇店と、密接にコンタクトを取っているんです0ポイントを押さえて、自社の販売促進活動をしているんですよ。
そこで独自の情報を集めていますから、どのぐらいウチのソフトに注文が入っているのかについてのデ-タを持っているんです。 だからソニーさんの営業に対して、データに基づいた物言いをすることが可能なんですよ」。
ナムコが全国秒二五人で網羅できるのは、タイトル数が平均月一本と少ないことにも起因している。 一方、コナミは多数のタイトルを持つ。
その量を踏まえれば直販の方向も、当然見えてくる。 しかしナムコの月に一タイトルでは、営業所は設置できない。
「現在のところ、SCEIのやり方がベストだと思います。 個々のメーカーが直販を採用し、それぞれバラバラで営業活動するよりも、一社に結集した方が効率的ですよ。
セールスの方法いかんで商品が売れるわけではなく、ゲームの中身やプロモーションのやり方で売れるのですよ」意表をつく提案の連続で、遺憾なく発揮された。 「積極的に打って出なかった販路の一つは…」Sが言う。
「レコード店です。 ソニー・ミュージック、だから勝手知ったるレコード店をメインに、という話は実はありませんでした。
主の商品と従の商品では、まったく扱いが違うということをソニー・ミュージックで学びましたからね。 だからレコード唐は、主要な販路にはなりませんでした」。
それはセルビデオの経験で学んだことだった。 ビデオソフトの販売に当たって、身近なレコード店に置いたところ、全然売れなかったのである。

陪としてはあくまでも音楽CDがメインなのだから、慣れないビデオソフトには興味がない。 コーナーも貧弱だったし、担当者もいないという有様。
これでは売れるわけがない。 家電店も同じことだった。
ここではソフトはハードに付随するもの、というイメージだから、ソフトでしっかりとビジネスするという慣習がない。 だから、主要な販路にはならない。
松下の3DOが家電ル-トを主力にしていたのとは対照的な考え方である。 では、どこをターゲットとしたのか。
それがゲ-ム専門店だった。 人口三万1四万人に一店の割合でピックアップし、「単純にその地域で売上の多い順番に狙い撃ちです。
個別訪問をし、是非扱ってくれるようにって…」。 問題は、大型量販店だった。
販売底との契約作業は一九九四年七月から始めたが、なかなか進まない。 条件の面でまったく折り合わないのである。

大型店に行くと、大量に売るのだから有利な条件にしてくれ、と必ずリベートを要求されたが、Sは、「えっ、掛け率って、全国一一律ではないのですか?リベートつてなんですか。 われわれは素人なもので…」ととぼけた。
もちろん確信犯であった。 SCEIの思いはどこの屈でも同じ条件にしたいということだった。
それまでの流通の混乱はリベートにあったというのが業界の常識であった。 それにレコード流通の経験からしでも、府の大小で差をつけないのは当たり前だった。
レコードのようなクリエイティブな作品は、他の作品では代替えが利かない。 ワンアンドオンリーである。
他から調達できないものだ。 それを売る庄で条件に差を付けるのはおかしい。
地方の零細底も量販店も条件は同じにしたい。 しかし、リベートを一切っけないという大胆な方針は、理解されないまま時が経っていった。

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